こんにちは、ゆーちんです。
連日報道されているウクライナの情勢、非常にどんよりした気持ちになりますね。。
私にできることは限られていますが、一刻も早く、ウクライナの人たちに平和な日常が戻ってくることを願うばかりです。
でも、まさか21世紀の現代にこのような戦争が起こるとは、、と思われた方も多いのではないでしょうか?
- なぜ独裁者による暴走が起きてしまうのか?
こんな疑問から手に取ったのが、書籍『独裁者のためのハンドブック』です。
本書を参考にしながら、本記事では、次の点について、解説していきます。
- 政治の本質
- 政治リーダーの支配を支える集団
- 独裁と民主主義
- 独裁者の論理
ぜひ、最後までお読みいただければと思います。
政治の本質
政治の世界は、政治のルールによって支配されています。
どんなルール?
- 第一に、政治とは権力を握ること
- 第二に、政治とは握った権力を維持し続けること
つまり、「権力を握り、権力者の地位を守るためならなんでもする」のが、政治家だと言うわけです。
確かにそうだな、と思いませんか?笑
多くの政治家は、この政治の原理原則を非常によく理解しています。
逆に、この原理原則を理解していない政治家は、短命に終わります。
独裁者でも民主主義的リーダーでも同じ
注意をしなければならないのが、
この政治の原理原則は、独裁者に限った話ではない、ということです。
民主主義的な政治においても、同様の原理原則が政治の世界を支配しています。
つまり、民主主義的リーダーも、
権力の座を目指し、手に入れた権力を長く維持することを目的としているということです。
でも、独裁と民主主義は全然違うのでは?
独裁と民主主義、目指しているゴールは同じ。
でも、ゴールを達成するための手段が、独裁と民主主義では異なります。
独裁や民主主義は、あくまで目的を達成するための手段ということですね。
独裁と民主主義を分けるもの
では、独裁と民主主義を分けているものは、一体何なのでしょうか?
この疑問について考える上で、理解しておきたいのが、
「どんなリーダーであれ、独りで統治することはできない」ということです。
独裁者といえども、周囲には少なからず支える人々がいます。
政治リーダーを支える3つの集団
政治リーダーを支える集団として、大きく次の3つがあります。
①名目的な有権者集団
一つ目の集団が、名目的な有権者集団です。
政治リーダーを選ぶための何らかの法的な立場を持つ者、がこの集団に該当します。
日本で例えると、選挙権を持つ18歳以上の人全員がこの集団に属すことになります。
ひとことで言うと、「取り替えのきく者」となります。
②実質的な有権者集団
二つ目の集団が、実質的な有権者集団です。
実際に政治リーダーを支持する者、がこの集団に該当します。
日本で例えると、現政治リーダー岸田総理(自民党)を支持している人、がこの集団に属するといったイメージです。
ひとことで言うと、「影響力のある者」となります。
③かけがえのない盟友集団
三つ目の集団が、かけがえのない盟友集団です。
政治リーダーが権力を手に入れ、維持するために必要不可欠な者、がこの集団に該当します。
そこまで日本の政治に詳しくないので、例えるのが難しいですが、、
岸田総理が政権維持するために必要不可欠な人たちをご想像いただければと思います。
ひとことで言うと、「かけがえのない者」となります。
3つの集団の大きさ
そして、非常に重要なポイントですが、筆者曰く、
独裁的な政治と民主的な政治を分けるものは、この3つの集団の大きさの違いに他なりません。
独裁も民主主義も、権力を手に入れ、維持するという同じ政治の原理に従っているが、
3つの集団の大きさが異なるため、取るべき手段(独裁、民主主義)が異なるということです。
独裁的な支配
まず、独裁的な支配について、見ていきましょう。
◆独裁者政権を支える集団
①名目的な有権者集団 :大 ②実質的な有権者集団 :小 ③かけがえのない盟友集団:小
特徴は、「③かけがえのない盟友集団」が少ないこと。
繰り返しになりますが、「③かけがえのない盟友集団」は、政治リーダーが権力を維持する上で、必要不可欠な人たちです。
でも、政治リーダーにとって、この必要不可欠な人たちは、少ないに越したことはありません。
なんで?
なぜなら、③かけがえのない盟友集団の支持を繋ぎ止めるためのコストが少なくて済むからです。
支持者というものは、常に見返りを求める存在です。
政治リーダーは、盟友集団に金を配分するなどして、しっかり見返りを与えることができれば、権力を維持し続けることができます。
民主的な支配
◆民主主義政権を支える集団
①名目的な有権者集団 :大 ②実質的な有権者集団 :大 ③かけがえのない盟友集団:大
民主的な支配の特徴は、独裁とは反対に「③かけがえのない盟友集団」が大きいこと。
「③かけがえのない盟友集団」が大きいと、
盟友集団に見返りを与えるためのコストは高くつきます。
よって、政治リーダーは金を配分するのではなく、
彼らの望む政策を実現することを通じて、盟友集団の支持を繋ぎ止めなければなりません。
母数の大きい盟友集団が望む政策を実現しようと、政治リーダーが奮闘する。
まさに民主主義に他なりません。
独裁者の論理
ここまでのことを踏まえて、独裁者が考えていることについて、みていきましょう。
独裁者といえば誰?
思い浮かべた人を想像しながら、考えていくと良いかもしれません。
まず第一に思うのが、
独裁者は3つの集団の大きさのルールをしっかり理解しているんだろうなという点。
その上で、次のようなルールに従っていると考えられます。
- 盟友集団は、できるだけ小さく保て
⇨その方が低コストで政権を維持できるんだから! - 盟友には、忠誠を保つに足る分だけの見返りを与えよ
⇨盟友集団さえ大事にすれば、権力は維持できるんだから! - 庶民の暮らしを良くするために、盟友の分前を犠牲にするな
⇨庶民の暮らしよりも、権力維持に貢献する盟友を大切にしよう! - 貧しきものから奪い、支持する者に与えよ
⇨むしろ、税金を庶民から搾取し、権力維持に貢献する盟友に与えよう!
恐ろしいルールですね。。
独裁者にとって、権力を手に入れ、権力を維持するために最も合理的な方法が、上記のようなルールに従うことなのです。
このようにして、多数の犠牲の上に少数の利益が成り立つ、独裁政治が生まれます。
最後に
いかがだったでしょうか?
本記事では、政治の本質を明らかにした上で、独裁と民主主義、独裁者の論理について、考えてきました。
- でも、上記を理解した上で、独裁者の暴走を抑えるために我々はどうすればいいのか?
これは、非常に難しい問題です。
現在のロシアによるウクライナ侵攻の様子を見ていても、誰もプーチン大統領の暴走を止めることはできていません。
そして、当のプーチン大統領は、完全に独裁者の論理を理解し、実践しています。
- 非常に少数の側近(盟友集団)
- 盟友集団を小さく保つための粛清
- 原油で得た富を盟友集団に見返りとして与える
- 反対勢力への厳しい統制で革命の芽を摘む
そして、今回のウクライナ侵攻を含め、
すべての行動が、プーチン大統領の権力を維持し続けることを目的にした独裁者の論理に基づいているように感じます。
では、我々にできることは何か?
まずは、相手(独裁者)の論理を理解するということが非常に重要だと思います。
「相手がどういう論理に基づいて行動しているのか?」を知ることで、
プロパガンダによる洗脳を防ぎ、正しい情報をもとに判断ができるようになります。
本記事では、書籍『独裁者のためのハンドブック』の一部を解説したに過ぎません。
他にも、「反乱抑止」「安全保障」についての独裁者の考え方、
「リーダーを排除するための方法」など、多岐にわたって解説されています。
今の不安定な世の中だからこそ、読んでおくべき一冊です。
興味がある方は是非一度手に取っていただければと思います。
そして、何より一刻も早く世の中が平和になることを願います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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