お金が消える?『22世紀の資本主義』が描く“測れない経済”の未来

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どうも、社畜サラリーマンのゆーちんです。

「競うより踊れ、稼ぐより舞え。」

いきなりこんな言葉を聞いたら、どう思いますか?
「いやいや、競争は避けられないでしょ。結局は稼がなきゃ生きていけないんじゃないの?」
私も最初はそう思いました。

でも、このフレーズはふざけているわけではなく、成田悠輔さんの『22世紀の資本主義』が示す未来の結論なんです。
どういうことか、一緒にたどってみましょう。

お金にコントロールされる日常

給料日ってやっぱり嬉しいものですよね。
でも、家賃や光熱費、サブスク代が一気に引かれていくと、残高はすぐに心もとない数字に変わってしまう。
「結局、お金のために働いて、お金のために生きているのか?」と、ふと虚しくなる瞬間があります。

ここで大事なのは、なぜ私たちはこんなにもお金に支配されてしまうのかということです。
本当にお金そのものに力があるからなのか?
それとも、お金という仕組みが“そう思わせている”だけなのか?

この根本的な問いに挑んでいるのが、成田悠輔さんの『22世紀の資本主義』です。

成田さんの問い:「お金とは何か?」

そこで本書が投げかける問いがこちらです。

「お金とはいったい何なのか?」

一般的には「価値の尺度」「交換の手段」と説明されます。
でも成田さんは、もっとシンプルかつ本質的に定義します。

お金とは、人間の過去の行動を“雑に”数字に圧縮した記録にすぎない。

たとえば私が働いて給料をもらったとしましょう。
それは「誰かに価値を提供した」という記録です。
けれども、どんな工夫をしたか、どれだけ熱意を込めたかはすべて切り捨てられてしまい、
ただ「金額」という一本の数字に押し込められてしまうんです。

昔は細かい記録ができなかった

ではなぜ、そんな粗い「お金」という仕組みに頼らざるを得なかったのでしょうか?

理由は単純です。
昔の社会では、人の行動を細かく記録する方法がなかったからです。

この人がどれだけ働いたか、どんな貢献をしたかを逐一覚えておくのは不可能。
だからこそ、「お金」という便利な装置でざっくりまとめるしかなかった。
経済の実態と記録の間に大きなギャップがあったから、それを埋めるためにお金が必要だったんです。

データが「お金の役割」を奪っていく

ところが今の社会は大きく変わりました。

  • SNSには日常の行動や考えが残る
  • アプリは買い物や移動の履歴を覚える
  • スマートウォッチは健康や生活リズムを記録する

つまり、私たちの行動や関係が細かくデータ化される時代になったんです。

すると、わざわざ「お金」という粗い記録に頼らなくても、
「誰がどんな人で、どんな行動をしてきたのか」を直接参照できるようになる。
ここで浮かび上がるのが、成田さんの言う「測れない経済」という未来像です。

測れない経済とは?

測れない経済とは、これまでのように「価格」という一律の数字で価値を測らずに成り立つ経済です。

価値の基準になるのは、次のような履歴や関係性です。

  • 誰とどんな関係を築いてきたか
  • どんな選択を重ねてきたか
  • 何を大切にしてきたか

「いくら払えるか」ではなく、「どんな人であるか」に基づいてモノやサービスが配分される。
これはお金中心の社会からは大きな転換です。

比べられないからこそ自由になれる

この仕組みが面白いのは、「比べにくくなる」という点です。

今の社会では、年収や資産、フォロワー数のように、すぐ数字で順位づけしてしまいます。
私自身も「同期より昇進が早いかどうか」をつい気にしてしまう。

でも、履歴や関係性といったものは数字のように一律に並べ替えることができません。
Aさんは人をつなげるのが得意、Bさんは誰かを支えるのが得意。
上下ではなく、ただ「違う」としか言いようがないんです。

だからこそ、ユニークさやその人らしさそのものが価値になる社会になるんです。

経済は「表現の舞台」になる

成田さんが描く未来では、経済はこれまでのような効率や数字での競争の場ではなくなります。
代わりに、人がそれぞれのユニークさを表現する場へと変わるんです。

だからこそ、彼はこう語ります。

「競うより踊れ、稼ぐより舞え」

お金や出世を巡るレースから降りて、
踊るように自分を表現し、舞うように自分のスタイルを示すことが尊ばれる。
経済は「比較の舞台」から「表現の舞台」へ。
主役になるのはお金持ちや出世したエリートではなく、自分らしく生きる人なんです。

まとめ:比較から表現へ

『22世紀の資本主義』が教えてくれるのは、未来の技術予測以上に、私たちの生き方をどう考えるかという提案です。

  • お金は過去を雑に数字化した道具にすぎない
  • データが細かく行動を記録することで、お金の役割は小さくなる
  • その結果、数字で比べる社会から、「ユニークさ」が価値になる社会へシフトする

社畜として日々数字に追われていると、「比べられない価値」があるなんて忘れてしまいがちです。
でも本来、人間の価値は数字では測れないものに宿っている。

だからこそ、こう締めくくりたいと思います。

競うより踊りましょう。稼ぐより舞いましょう。
経済はやがて、芸術や遊びのようなものになるのです。

あなたは、この未来をどう感じますか?

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