“悪文は読み手に大きな負担をかける”
こんにちは、ゆーちんです!
今回は、岩淵悦太郎氏が中心となり、編集と著作された書籍『悪文』について、ざっくり解説していきたいと思います。
岩淵悦太郎氏は、東京大学を卒業し、国立国語研究所の所長を務められた経歴を持つ、日本語のスーパースペシャリストです。
既にお亡くりになられたようですが、その類いまれな日本語のセンスは、今もなお、本書籍を通じて、多くの作家、語学研究者に影響を与え続けています。
本書『悪文』では、実際に悪文の例をあげながら、「なぜ分かりにくいのか」、「どうすれば分かりやすくなるのか」について、丁寧に解説されています。
本記事では、全てをご紹介することはできませんので、私が特に重要だと思ったポイントに絞って解説していきたいと思いますので、一緒に学んでいきましょう!
本記事で押さえていただきたいポイント
- 読み手にとってわかりやすいか
- 一文18文字以内
- 述語を主語に近づける
悪文とは?
まず最初に「悪文」の定義を明確にしておかなければなりません。
いったい何を基準に著者は、悪文か、そうでないかを判別しているのでしょうか?
ずばり、読み手にとって分かりやすい文章かどうかです。
皆さん、お気づきかもしれませんが、この基準は結構あいまいで抽象的ですね笑。
しかし、ここは岩淵さんを信頼しましょう笑。
スーパーな経歴の持ち主であり、日本語に精通している岩淵さんが読まれて、「分かりにくい」と感じる文章は間違いなく悪文です笑。
岩淵さんが読んで分かりにくいと感じる文章を、私みたいな凡人がすんなり理解できるはずがありません笑
本書では、岩淵さんがかき集めた悪文の例が数多く掲載されています。
そして、それら悪文と考えられる文章の「どこに問題があるのか?」「どのような点に注意すれば、悪文ではなくなるのか?」を明らかにしてくれています。
早速、学んでいきましょう!
悪文その1:文章が長い
悪文のキング・オフ・キングとも言える最大の特徴、それが「長い文章」でしょう。
長い文章は、文の最初の方に記載された内容を、文を読み終わるまで記憶させます。
つまり、読み手に大きな負担をかけるのです。
下記をご覧ください。
おばあちゃんは、天気がいいときには、朝から畑をほったり、こやしをやったり、朝早く起きて、ごはんとおかずをたいたり、寮の人のふとんや、よごれていたらはずしてやって、洗ってやったり、また、ほかに男子や女子の洋服などの洗濯ものや、ほころびたり、やぶれたりしていたら、おばあちゃんの所に持って行くと、ひまのときに縫ってやったりして下さいますから、私はいつもありがたいと思います。(『悪文』より引用)
そもそもこの文章を読んでみようと思いますか?
見ただけでうぇっとなりますね笑。
では、どれぐらいの長さの文にすればいいのか?
筆者曰く、一文の長さは14〜18文字ぐらいにすれば良いとのことです。
新聞や小説なども、大体一文14〜18文字ぐらいの長さになっています。
- 一文を18字以内に抑える
- 自分が書いた文をパッとみて読む気になるかどうか
この2点を意識してみるとよいかもしれません。
悪文その2:主語と述語が分かりづらい
もう一つ、悪文の特徴の代表的なものが「主語と述語がわかりづらい」ということでしょう。
「出た出た、主語とか述語とか。。文法は苦手で大嫌いです!」
という方のためにポイントをなんと1つまで絞りました笑。
次の悪文の特徴だけは、絶対に覚えておきましょう。
- 主語と述語を遠く離しすぎている
主語は「誰」、述語は「どうする」というイメージを持っていただければと思います。
主語と述語が遠く離しすぎるとは、つまり、「誰」が「どうする」の間が離れているということ。
文の最後の方で「どうする」が出てきた時には時すでに遅し、主語が「誰」なのかを忘れてしまっていることでしょう。
では、どうすればいいのか?
結論、両者を近づければいいのですが、 1点注意が必要です。
それは、主語を述語に近づけるのはNGだということです。
何故だか分かりますでしょうか?
主語を述語に近づけてしまうと、文の最後まで主語(誰)が不明確になってしまうからです。
では、どうすればいいのか?
述語を前に持ってきて、主語に近づけなければなりません。
結論ファーストで、「誰がどうする」をまず明確にする必要があります。
最後に
いかがだったでしょうか?
本記事では、私が最重要だと感じた2点まで、ポイントを絞って解説させていただきました。
実際には、本書ではまだまだ押さえておくべきポイントが紹介されています。
より詳しく学ばれたい方はぜひ一度、本書を手にとって、お読みいただければと思います。
本書を読んで私が一番感じたこと、それは「悪文は本当に読みにくい」ということです。
本書の中では多数の悪文が掲載されており、筆者が「悪文の特徴を解説」→「わかりやすい文に修正」といった形で進んでいきます。
つまり、本書を読み進める中で数多くの悪文例を読まされるわけですが、悪文を読むのは非常にストレスがかかるということを身をもって体感しました。
筆者が悪文のチャンピオンと評する「裁判の判決文」を読まされた時には、気絶しそうになりましたね笑。
文章を書く際は、できるだけ読者に負担をかけないことを意識していきたいものです。
このゆーちんブログも、皆さまにとって読みやすい文章を意識し、日々改善してまいりますので、引き続きよろしくお願いします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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