こんにちは、アメリカ駐在中の社畜サラリーマン、ゆーちんです!
前回の記事では、縮小する市場の中で私の担当する成熟事業がスピンアウトされ、独立した新会社として新たな成長を目指す決断が下された話をしました。親会社の傘を離れ、自力で成長戦略を構築していくことになり、期待と不安が入り混じった状況です。そして今まさに、新たな価値を創出し競争力を高めるために必要な体制を模索しているところです。
今回は、事業の成長戦略を実現する上でのカギとなる「探索部門の独立」に焦点を当ててみたいと思います。
成熟事業を深化させつつも新規事業に取り組む「両利きの経営」を実現するためには、探索部門の独立が不可欠。
現場でのリアルな悩みや課題も交えながらお話しします!
成熟事業の深化と新規事業創出の両立の難しさ
企業が持続的な成長を目指すなら、成熟事業での安定収益と、新規事業の探索による成長を同時に実現する「両利きの経営」が求められます。
私のいる成熟事業でも同様で、収益基盤を支えながら新しい成長の種を育てる必要があります。
しかし、現場では日々の業務の中で短期的な目標が優先されることが多く、新しいチャレンジにまでリソースを割く余裕がないのが現状です。
特に独立事業となった現在は、毎月の売上、利益、在庫に対する厳しいプレッシャーをステークホルダーから感じています。
「成熟事業としての収益をまずしっかり出せ」となると、どうしても目の前の数字を達成することに集中せざるを得ず、探索活動は後回しになりがちです。
正直、スピンアウトで得た自由を使って「新しい挑戦を」と思う一方で、現実の厳しさに直面し、焦りを感じる場面も少なくありません。
しかし、今の市場で現状維持に甘んじていては、縮小の波に飲み込まれるのも時間の問題です。
だからこそ、成熟事業を深化させつつ、探索活動を通じて新しい成長機会を見出す「両利きの経営」を実現するために、探索部門を独立させる組織体制が必要だと感じています。
なぜ探索部門の独立が必要か?
探索部門を独立させるべき理由は、成熟事業の深化と新規事業の探索という2つの異なるミッションを同じ人や組織に任せると、どうしてもリソースが成熟事業に偏ってしまうからです。
成熟事業では短期的な収益目標が求められるため、日々の売上や既存顧客対応に注力しなければなりません。
実際、現場でも「まずは今期の売上目標を確保しないと探索活動どころじゃない」という空気が強く、「とりあえず後回しで」となることがほとんどです。
これでは、成長のための探索がいつまで経っても進まず、どちらの活動も中途半端になりかねません。
特に独立事業になった現在、収益を確保していかなければ事業そのものの維持も危うい。
だからこそ、「目の前の成熟事業をしっかり回し、成果を出すことが最優先」という雰囲気が一段と強まっています。その結果、新しい成長機会を作るための探索活動が後手に回りがちです。
成熟事業と探索活動をしっかり両立させるには、探索部門を分離して独立させることが不可欠だというのが、現場での実感です。
探索部門の独立がもたらすメリット
探索部門を独立させることで得られる主なメリットは3つあります。
メリット1:成熟事業と探索活動のバランスが取りやすくなる
探索部門が独立していると、成熟事業は成熟事業、新規事業は新規事業と、それぞれに専念できる環境が整います。
実際、現場で私が感じるのは、「新しいことに挑戦しよう」と思っても、日々の売上を確保しなければならないプレッシャーから自由になれないという現実です。
だからこそ、成熟事業に注力するメンバーが短期的な収益に集中し、探索部門は探索活動に専念できるよう、しっかり役割分担ができることが大きなメリットです。
メリット2:短期的利益に左右されず自由な発想での挑戦が可能に
探索部門を独立させると、短期的な収益目標から解放され、自由な発想で新しいアイデアに挑戦できる環境が生まれます。成熟事業の中では目の前の収益を求められ、どうしても短期利益が優先されがちですが、独立した探索部門ならば、長期的な視点でビジネスを育てることが可能になります。これにより、既存事業の制約に縛られず、将来の成長を見据えたアイデアが積極的に生まれるのです。
メリット3:リスクを恐れず試行錯誤できる文化が根付く
新規事業の創出には、どうしても試行錯誤が不可欠です。成熟事業の中では失敗が利益に直結するため、失敗が許されにくいのが現実です。しかし、独立した探索部門であれば、失敗を恐れず試行錯誤できる文化が根付きやすく、挑戦を重ねながら成長できる土壌が生まれます。失敗を繰り返しながら学び、新たな可能性を模索する環境が整うことで、最終的には企業全体の成長にも貢献するでしょう。
成熟事業の深化と新規事業創出を両立するために
こうして見てくると、成熟事業の収益を確保しつつ、新規事業を創出するためには、探索部門の独立が欠かせないと改めて実感します。私たちの組織でも、この転換期に向けて、まずは探索部門を独立させ、短期的な収益目標に縛られずに成長の機会を模索できる環境を整えようとしています。
現場では、日々の売上を守りつつ、将来に向けた新しい可能性を探る難しさを痛感する毎日ですが、探索部門を独立させることで、少しずつですが新たな風が吹き始めているのを感じます。
独立した部門があることで、既存のルールにとらわれず、自由な発想での挑戦が生まれやすいですし、何よりもスピード感を持って意思決定ができる環境が整います。
次回も、このスピンアウト事業のリアルな挑戦をお届けしつつ、現場で見えてきた新しい課題や進展について共有していきたいと思います!
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