“枝葉末節を排除し、最も重要な文脈に目を向ける”
こんにちは、ゆーちんです!
今回は、ドナルド・サル氏、キャスリーン・アイゼンハート氏によって書かれた1冊『SIMPLE RULES』について、解説していきたいと思います。
本記事をお読みいただくことで、次のことをご理解いただけます。
- シンプルルールとは何なのか?
- なぜ重要なのか?
- どのようにルールを作っていけば良いのか?
複雑なシステムで成り立っている現代の社会において、何を考え、どう行動していくか。
シンプルなルールは、複雑な社会を生き抜く上での強力な武器となりますので、本記事を通して、一緒に学んでいきましょう!
シンプルルールとは?
本書では、次の4つの特徴を押さえたルールをシンプルなルールとして、定義しています。
- ルールの数が少ない
- 使う人に合わせてカスタマイズできる
- 具体的である
- 柔軟性がある
順をおって、見ていきましょう!
1.ルールの数が少ない
ルールの数が少ないことは、シンプルルールの基本中の基本です。
”ルールの数が少なければ、複雑な問題に対応できないではないか?”
と考える方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、少ないからこそ、我々は本当に重要な最優先事項に集中することができます。
2.使う人に合わせてカスタマイズできる
シンプル・ルールは、ルールを適応する対象者が明確になっていなければなりません。
例えば、「好きなだけ食べてもよい」というルールがあったとします。
このルールは、我々一般人にとっては肥満を招くだけです。
でも対象者がアメフト選手となった場合、フィジカル強化のためのよいルールとなります。
3.具体的である
ルールがあったとしても、あまりにも抽象的で、現場の人が行動レベルまで落とし込むことができないようでは意味がありません。
シンプル・ルールには、現場の人がそのルールに基づいて、判断・行動できる具体性が求められます。
4.柔軟性がある
シンプル・ルールには、ルールの範囲内であれば、状況に応じて自由にアレンジできるという柔軟性も求められます。
例えば、「食べ過ぎない」「野菜中心にする」というルールを決めたのであれば、
その範囲内であれば、昼食にフルーツでも、野菜炒めでもその時の気分に合わせて好きなものを食べてもいいのです。
なぜシンプルなルールが求められるのか?
でも、そもそもなぜシンプル・ルールが必要なの?
なぜ、シンプル・ルールが必要なのか?
結論から言うと、シンプル・ルールが求められる理由は、
「細かい分析を重ねるよりも、心理的負担をかけずに優れた意思決定を生み出すことが多いから」です。
でも、細かい分析も重要なんじゃないの?
筆者曰く、我々は過去の分析について次の2点を見落としているといいます。
- 必ずしも過去のことが未来にも繰り返されるとは限らない
- 過去のデータには有益なものもあるが、一方でノイズも多く含んでいる
「女性の靴のヒールの高さ」と「景気」には、相関関係があるというお話を聞いたことはある?
んー、ないかな。
IBMが発表したデータによると、ここ100年のデータを分析すると、ヒールが高くなると景気が落ち込み、低くなると景気はよくなるという相関関係があるとのこと。
しかし、お察しかと思いますが、「ヒールの高さ」と「景気」に相関関係があるとは到底思えないですよね。。
思えないですね。。
話を戻しましょう。
なぜ、シンプル・ルールが分析を重ねるよりも、優れた意思決定を生み出すことに繋がるのか?
それは「ヒールの高さと景気の相関関係」といった本質には関係のない枝葉末節を排除し、
最も重要な文脈に目を向けることができるようになるからです。
より良い判断をするためには、細かい要素にはこだわらず、最も重要なことに焦点を当てる必要があります。
シンプル・ルールはそれを可能にするというわけです。
どんな種類のルールがあるのか?
シンプル・ルールと言っても、具体的にはどんなルールがあるの?
シンプル・ルールには大きく6つのカテゴリーがあります。
ここでは、とても簡単に紹介させていただきます。
より詳しく学ばれたい方はぜひ本書を手に取って、読んでいただければと思います。
境界線ルール
二者択一の形をとる、最も基本的な意思決定のルール。
時間をかけずに何をすべき、何をしないべきかの判断を下すことができます。
例えば、泥棒が押し入る家を判断する時のポイントの一つは、「外に車が止まっている家は避ける」だったそうです。
優先順位ルール
物事の優先順位を決めるのに役立つルールです。
時間や労力や資金が限られている時、もしくは関係者の意見が合わない時に有効です。
例えば、ある企業では、採用の際に優先順位ルールを活用して、「現役の従業員から紹介された人」を優先的に雇うことにしているそうです。
停止ルール
やめどきを見極め、タイミングを決めるときに使うルールです。
例えば、ある投資家は「損失が10%になる前に損切りする」という停止ルールを自身に課したことにより、長期的にはプラスの成績を残せているようです。
ハウツー・ルール
「何をどうするか」と言う非常に根本的な部分を決めておくためのルール。
予期せぬ出来事が起きた時の対処法としても有効です。
例えば、ある新聞記者は記事を書くときに次のようなハウツー・ルールを設定していたようです。
- プロローグは省略する
- 会話のつなぎに「〇〇と言った」以外の動詞は使わない
- 読者が読み飛ばしそうな部分は削る
コーディネーション・ルール
集団行動をとる時のルールです。
ルールに従うことで集団行動が生まれ、一人では無理なことも成し遂げられます。
例えば、あの戦争が強いで有名なナポレオンは、前線で戦う兵士に「砲撃の音が聞こえる方へ進め」と命令し、軍隊の統制を取り続けることに成功したようです。
タイミング・ルール
いつ何をするかを決めておくルールです。
ある一定のリズム、習慣を作り出す場合にも役立ちます。
例えば、ある研究では次の4つのシンプル・ルールに従うことで不眠症が改善されることを発見したようです。
- 毎朝同じ時間に起きる
- 眠くなるまでベッドに入らない
- 眠れないときは無理に寝ない
- ベッドで過ごす時間を減らす
実際ルールを作る際は、
6つのカテゴリーのうち、どれを作っていきたいのか?を明確にした上で、ルールづくりを進めると良いのかなと思います。
そして、シンプル・ルールの成功例を出来るだけ多く、知っておくことも重要かなと思います。
本書では、成功例がたくさん記載されているので、ぜひ一度手にとってお読みいただければと思います。
最後に
いかがだったでしょうか?
今回は、残念ながら、実際にどうやってルールを作っていくかまでは、解説することができませんでした。
ただ、私なりに超ざっくり言うと、「とりあえず作っちゃおう!」です笑。
最初から完璧なものは作れません。
なので、とりあえず作って、運用してみて、修正を加えながら、洗練されたものに仕上げていきましょうといった感じですね。
シンプルといえば、簡単だとか単純だとかのイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ私は本書を読んでみて、それは間違いであると感じました。
どちらかといえば、無駄を一切省いた「洗練」というイメージを強く持ちました。
洗練するには、何が本当に重要なのかを見極めることが必要ですね。
しかし、何が重要かを見極めることは決して簡単ではありませんし、時間もかかります。
その過程を通り越して、生まれたシンプル・ルールこそが、我々が複雑化した社会を生き抜くための武器になるのだと思います。
是非とも、無駄なエネルギーを使わず判断するために、良い習慣を作っていくために、シンプル・ルールを取り入れていきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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