【要約・解説】イノベーションのDNA(クレイトン・クリステンセン)

書籍解説

“イノベーションは誰にでも起こせる”

こんにちは、ゆーちんです!

今回は、クレイトン・クリステンセン氏、ジェフリー・ダイアー氏、ハル・グラガーセン氏によって書かれた一冊、『イノベーションのDNA』について、解説していきます。

イノベーションと聞いて、どのようなことが頭に思い浮かびますでしょか?

ソニーのウォークマン、アップルのiPhone、人との関わり方を大きく変えたSNSなどなど、私たちの生活をガラリと変えてきた商品・サービスを思い浮かべるのではないでしょうか?

そして、イノベーターと聞くと、スティーブ・ジョブスのような一部の天才の方々を思い浮かべるのではないでしょうか?

でも本書の著者たちは、言います。

「イノベーションは、一部の天才だけでなく、誰にでも起こせる」と。

確かにイノベーターは普通の人と違う考え方をします。(Think Different)

しかし、「イノベーターがどのように人と違う考え方をするのか?」を理解し、行動を変えれば、誰にでもイノベーションを起こせるのです。

イノベーション起こしたいですよね!?

本記事を通して、「イノベーターに共通する特徴」「イノベーションを起こすために、どうすればいいのか?」を一緒に見て行きましょう!

ぜひ最後までお楽しみください。

◆本記事のポイント

  • イノベーションとは、既存知と既存知の新たな組み合わせ
  • 関連づける力、質問、観察、ネットワーク、実験
  • イノベーション起こす!という強い意志

イノベーションとは?

まずはじめに、「イノベーションとは何か?」について、明確にしておきましょう。

イノベーションという概念を提案したのは、オーストリアの経済学者であるシュンペーター氏です。

シュンペーター氏は初期の著書『経済発展の理論』でイノベーションを「新結合」と呼びました。

新結合とは?
経済活動の中で生産手段や資源、労働力などをそれまでとは異なる組合せで結合することで、新たな価値を創出すること

ポイントは、「組合せが新しければすべてが新しい必要はない」ということです。

つまり、イノベーションは0から1を生み出すという、一部の天才にしかできない特殊なものではなく、

既にあるもの(既存知)と既にあるもの(既存知)の新しい組合せによって生まれ、誰にでも起こし得るものなのです。

イノベーションには色々定義がありますが、本記事では先人たちの定義を参考にし、次のように定義したいと思います。

◆本記事におけるイノベーションの定義
「既存の知」と「既存の知」の新しい組合せによって創出されるものであり、かつ創出されたものが顧客にとって価値があること。

イノベーターが持つ5つのスキル

ここまでイノベーションとは何か?について、みてきました。

では、イノベーションを起こす人とは、一体どのような人たちなのでしょうか?

イノベーターとそうでない人とでは、一体何が違うのでしょうか?

本書では、イノベーターの人は5つのスキルを持ち合わせているといいます。

その5つのスキルこそが、イノベーターをイノベーターたらしめているスキルであり、「イノベーターのDNA」となっているものということです。

◆5つスキル

  • 関連づける力
  • 質問
  • 観察
  • ネットワーク
  • 実験

それぞれのスキルについて、順を追ってみていきましょう。

関連づける力

「意外な結びつきを生み出す力」

冒頭でイノベーションは既存知と既存知の新たな組み合わせと言いました。

この関連づける力とは、繋がっていないものを繋げて、新たなアイデアを生み出す力であり、まさにイノベーションに直結する力となります。

では、どうすれば関連づける力を身につけることができるのか?

ずばり、残りの4つのスキル(質問、観察ネットワーク、実験)を実践することで、この関連づける力は鍛えることができます。

さまざまな経験をしていればしているほど、脳に蓄えられる知識は多様になります。

そして、新しい知識のインプットが与えられたとき、関連付けを触発し、斬新なアイデアが生まれる可能性が高まるのです。

質問

「創造的な洞察を生み出す可能性を掘り起こすこと」

質問は、他の発見に関わる行動を創造的な方法で促す触媒として働きます。

◆取組方法

  1. 対象の実態を把握する質問
    今どうなのか?、なぜこうなったのか?を質問する

  2. 対象を破壊する質問をする
    なぜなのか?、なぜ違うのか?、もし〜だったら?を質問する

観察

「周りの世界を注意深く伺い、物事の仕組みを理解しようと努めること」

観察を通じて、うまくいっていない物事が目につくようになり、事業のヒントを得ることができます

◆取組方法

  1. 顧客がどんな用事を片付けるためにどんな製品を使っているか?を観察する
  2. 意外なことや普通でないことに注目する
  3. 新しい環境の中で観察する機会を見つける

ネットワーク

「知識の幅を広げるため、多様な背景や視点を持った人たちとの出会いを勢力的に求めること」

異なる社会的ネットワークに属する人たちとの対話を通じて、物事を根本的に異なる視点から捉えられるようになります。

そして、今まで思いつかなかったような画期的なアイデアを誘発することに繋がるのです。

◆取組方法

  1. 外部の専門家を活用する
  2. 催しに参加する
  3. 私的なネットワークを活用する

実験

「画期的で斬新なアイデアを誘発する新しい手がかりを求めて、新しい経験を積み、製品やプロセスを分解すること」

将来成功する方法の手がかりを得るために有効です。

「もし〜だったら?」の質問に対する答えを探し出すのに最も適した方法が「実験する」です。

◆取組方法

  1. さまざまな試みを通じて、新しい経験をする
  2. ものを分解する
  3. 実証実験や試作品を通してアイデアを検証する

5つのスキルの関係性

この5つのスキルは、大きく「認知的スキル」と「行動的スキル」に分かれます。

認知的スキル=関連づける力
行動的スキル=質問、観察、ネットワーク、実験

なんだか難しそうに聞こえますが、要は「認知的スキルは、行動的スキルの実践によって、身につくものである」いうイメージを持っていただければ、問題ありません。

質問、観察、ネットワーク力、実験を繰り返すことで、私たちの脳内で関連付けが触発され、イノベーションのもととなるアイデアが生まれやすくなるということです。

私たちはどうすればいいのか?

では、イノベーションを起こすために私たちはどうすればいいのか?

これはもう自明ですね。

ずばり、質問、観察、ネットワーク力、実験を日々の生活の中で実践していくことです。

5つのイノベーターのスキルのうち、行動的スキルをまずは実践し、多様な経験を積みます。

そうすることで、脳内に様々な知識を蓄積させ、関連付けが起きやすい状態を作り出すのです。

行動的スキルの実践に加えて、あともう一つ、本記事で省かせていただいた重要なことがあります。

それは、「イノベーションを起こす!」という強い意志を持つことです。

「なんだなんだ、最後は結局精神論か?」と思うかもしれません。

しかし、精神論なのです。(いや、そうなんかーい笑)

「イノベーションを起こすんだ!」という強い思いこそが、行動を触発します。

つまり、「質問、観察、ネットワーク、実験」のステップを行動に移す際の原動力となるのです。

「自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えている。」

世界を変えるという覚悟があるか?を自分に問いただすことから始めてみるのもいいかもしれません。

まとめ

  • イノベーションは、「既存知」と「既存知」の新しい組合せによって生まれる
  • イノベーションは、誰にでも起こし得る
  • イノベーターは5つスキルを持ち合わせている
  • 5つのスキルとは、「関連づける力」「質問」「観察」「ネットワーク」「実験」
  • 関連づける力」は、残りの4つのスキルの実践を通じて、鍛えられる
  • イノベーションを起こすには、まずは行動的スキルを実践していく必要がある
  • 「イノベーションを起こす!」という強い意志が、行動を触発する

感想

いかがだったでしょうか?

本記事では、かなりポイントを絞って解説させていただきました。

5つのスキルについてなど、より詳しく学びたい方は、ぜひ一度本書を手にとってお読みいただければと思います。

また、本書では「イノベーターのDNAをどのように組織に落とし込んで行くべきか?」についても、みっちり解説されています。

そちらも本記事ではごっそり省かせていただいた点ですが、非常に参考になる点が多かったので、オススメです。

本書は、イノベーションは誰にでも起こしうると明確に主張されており、凡人の私を勇気付けてくれました。

あとは、自分に問いただしてみたいと思います。

「本当にイノベーションを起こしたいのか?」と。

「本当に世界を変えたいのか?」と。

自分と向き合って得た答えに対して、全力で行動していきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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