“投資家の期待に対し、どうであったか?”
こんにちは、ゆーちんです!
ところで皆さん、資産運用はしてますか!?
資産運用と聞けば、なんだかギャンブルっぽくて、怪しい、怖いと思われる方が多いのではないでしょうか?
でも、そう思う理由は、きっと資産運用についてあまり知らないことなんだと思います。
しっかり資産運用について学べば、恐るべき相手ではなく、人生を豊かにしてくれる味方になってくれます。
今回は、多くの投資家にとって、株式投資のバイブルとなっている『株式投資の未来』について、解説していきます。
本書では、資産運用の中でも、多くの人のポートフォリオの中心となるであろう株式投資について、データを交えながら、わかりやすく解説されています。
本記事を読んでいただくことで、多くの人が陥ってしまう罠、どういった企業が投資家にリターンをもたらせてきたのかについての理解が深まります。
資産運用は、人生100年時代を豊かに生き抜く上で外せない分野ですので、本記事を通じて一緒に学んでいきましょう!
本記事で押さえていただきたいポイント
- 投資家の期待以上に成長する銘柄を買う
- 支払われた配当金を再度投資に回す
- 投資は自己責任!
多くの人が陥る成長の罠
皆さんはどの地域、業界、銘柄に投資すれば良いとお考えでしょうか?
なんとなく、イメージでこれから成長しそうな国(ex.中国、インド)、成長しそうな業界(ex.AI、自動運転)、成長しそうな銘柄などへの投資が良さそうと考えていませんか?
しかし、こういった多くの人が成長しそうと考える分野へと振り向けた資金は、大概、我々投資家に低いリターンしかもたらしません。
本書では、このように一見リターンをもたらせてくれそうな成長率が高い分野への投資が、実際には低いリターンしか生まないことを「成長の罠」とよんでいます。
そして、実際に多くの投資家がこの「成長の罠」にはまってしまっています。
一体なぜそうなるのでしょうか?
先端技術を導入することで莫大な経済成長をもたらす一方で、なぜ投資家たちが大火傷を負うのでしょうか?
それは新たなテーマに熱狂して、話題の銘柄に手を伸ばす投資家は、その度に、過大な値段を支払わされているからです。
我々は成長性を追い求めるあまり、変化が速く、競争が激しすぎる業界の銘柄を過大評価してしまいがちです。
こうした業界で勝ち残るのはごく一握りで、その一握りでは敗れ去った敗者の群れの損失をカバーすることはできません。
この成長の恩恵を被るのは、発明者であり、創業者であり、会社であり、消費者であり、我々投資家ではないのです。
IBMとスタンダード・オイルの比較でみる「成長の罠」
本書では「成長の罠」について、IBMとスタンダードオイルの2社を比較しながら、わかりやすく説明しております。
なみにスタンダード・オイルは米石油会社でエクソン・モービルの前身ですね。
1950年から2003年までの2社を比較した時、成長率の指標はどれをとってもIBMが優っていました。
指標 | IBM | スタンダード・オイル | 優位 |
1株あたりの売上高 | 12.19% | 8.04% | IBM |
1株あたりの配当 | 9.19% | 7.11% | IBM |
1株あたりの利益 | 10.94% | 7.47% | IBM |
セクター成長率 | 14.65% | −14.22% | IBM |
しかし、投資リターンについては、スタンダードオイル社がIBMを上回っていたのです。
指標 | IBM | スタンダード・オイル | 優位 |
株価上昇率 | 11.41% | 8.77% | IBM |
配当利回り | 2.18% | 5.19% | スタンダード・オイル |
トータルリターン | 13.83% | 14.42% | スタンダード・オイル |
一体どうしてこんなことが起こるのでしょうか?
それは投資家のリターンを決めるのはバリュエーションだからです。
バリュエーションとは、値上がり益と自分が受け取る配当に対し、いくら支払ったかを示す指標です。
トータルリターンを得るためにいくら支払ったのかということです。
投資家がIBM株に支払った価格は、一言で言うと、高すぎたのです。
IBMは確かに成長率という意味で非常に優秀な成績を残しました。
しかし、投資家もIBMに優秀な業績を期待していたので、購入するIBMの株価は高かったのです。
投資家リターンの基本原則①: 株式投資の長期リターンは、企業の増益率そのものではなく、 実際の増益率が投資家の期待に対してどうであったかで決まる。
どの銘柄に投資すればいいのか?
では、我々はどんな銘柄に投資すればいいのでしょうか?
その答えは、投資家の期待以上に成長する銘柄です。
投資家の増益期待を知りたい時、参考になる指標として、PER(株価収益率)があげられます。
PERとは、「今の株価が“1株あたりの純利益”の何倍なのか」を示した指標です。
PERが高い時、投資家は平均を上回る増益を期待しており、PERが低い時、投資家は平均を下回る増益しか期待していません。
本書の調査では、S&P500(米国市場を代表する株式インデックス)からPERが低い銘柄を選んでポートフォリオを組んだところ、そのリターンは市場平均より3ポイント上回ったとのことです。
ここまで読んで、 PERが低い銘柄を探せば良いのか!と考えた方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっと安易すぎるかなと思います。
個人的な見解ですが、PERが低いから投資しようというよりかは、成長の罠にハマらないためにPERが高い銘柄に注意しようというぐらいの位置付けでこのPERは捉えればいいのかなと思っています。
株主にリターンをもたらす配当金
本書では、株主にリターンをもたらす要素として、配当が支払われていることを非常に重視しています。
そして、支払われた配当金を再度投資に回す、配当再投資を本書ではお勧めしています。
ではなぜ、配当が支払われていること、配当再投資が株主にリターンをもたらすことに繋がるのでしょうか?
理由①:コーポレート・ガバナンスの役割を果たす
これまで企業が利益を水増しし、会計をごまかしてきたことが度々ありました。
それが発覚するたびにその企業の信頼が失墜し、株主が損失を被ってきました。
しかし、企業が配当金を支払っている限り、事業は黒字であり、決算を誤魔化しているとは考えにくいと本書では記載されています。
企業が配当を支払うことで、株主と経営陣との間に信頼関係が築かれ、収益に関する経営員の発言が裏づけられるとのことです。
理由②:下落相場のプロテクター、上昇相場のアクセルとなる
株式市場は短期的に見ると度々変動が起きており、下落局面は投資家にとって、心理的に厳しいものであります。
しかし、この変動は配当再投資を行う長期投資家には、利益をもたらします。
変動の局面を通過することにより、リターン上昇の醍醐味を味わえるというのです。
どういうことなのでしょうか?
- 下落相場のプロテクター
相場が下落する局面では、配当金の再投資を通じて、保有分を余分に積み増すことができます。
これがポートフォリオ下落時のクッションとなるのです。
本書では、この下落局面に再配当を通じて保有分を積みます配当の働きを「下落相場のプロテクター」とよんでいます。 - 上昇相場のアクセル
下落相場で買い増した株式は、相場が回復する局面では、下落に対するクッションどころではない役割を果たします。
これは保有株数が増すほど、将来のリターンが加速するからです。
本書では、この下落局面で買い増した株が回復局面でリターンを力強く押し上げる働きを本書では「上昇相場のアクセル」とよんでいます。
投資家リターンの基本原則②: 株式が配当を生むとき、効果が増幅する。
投資は自己責任
上述のように、本書では「投資家リターンの基本原則」として、リターンを増幅する条件は、①増益率が期待を上回ること、②配当が支払われていることの2点を重視しています。
しかし、私はこの2点は基本原則の一部であり、全てではないと考えております。
前者①はいついかなる時も真なのですが、その銘柄を見抜くことが簡単ではありません(簡単であれば、皆欲しがり株価が高くなっているはずですから)。
また、後者②を重視した高配当株投資は、初心者向けよりも中級者、上級者向けなのかなと思っております。
今、高配当を出している企業が将来にわたって、高配当を出し続けるとは限らないからです。
初心者は、まずインデックス投資から始めたらいいのかなとというのが個人的見解ですが、インデックス投資と聞いて、何のこっちゃわからない方は、投資よりも先に、まずは勉強することをおすすめします。
投資は自己責任で、人の言う通りに投資して損害を被っても、誰も責任を取ってくれません。
おすすめの勉強法は両学長のYoutubeを見ることです。
初心者向けに非常にわかりやすく、丁寧に解説してくれています。私自身、両学長のYoutube、両学長がお勧めする書籍を読むことを通じて、日々勉強させていただいております。
最後に
いかがだったでしょうか?
本書の解説を通じて、株式投資について、少しでも理解が深まり、興味を持っていただけたなら幸いです。
特に、「成長の罠」があるということを知っていただけただけでも、本記事を読んでいただいた価値があるかなと思います。
株価は投資家の期待を含んだ価格であるということを頭に入れて、その時代のトレンドに囚われすぎないように意識していきましょう。
本書の他にも、両学長がおすすめしていた『ウォール街のランダムウォーカー』『敗者のゲーム』『投資の大原則』なども一通り読んでみましたので、そちらの方も追々解説していけたらなと思います。
一緒に勉強して、人生100年時代を豊かに生き抜いていきましょう!!
ありがとうございました。
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